ピークタイム

人として生きていくっていうものを全うしている僕達だけど、

ただ生きるってわけじゃなくて、時折現れるミッションみたいのを少しずつクリアしながら

何かの目的に向かってそれぞれの最終地点っていうのを求めてる、

まあそんな感じの日々を過ごしている。

人はいつか死ぬし、知らない間にこの世に生まれてきたし、

誰が一体、何のために、何がしたくて始めたのか分からない

そんな感じの生命のループが繰り返されている。

あ、なんだろちょっと暗い感じになってきた。

これはよくないっす。

それなりに年齢を重ねてくると、19・20の頃までとは違ったコトバがよく聞かれる。

「あぁ、あの頃が一番良かったな…」

そういうのをピークタイムっていうのかな。

例えば大好きだったあの子と恥ずかしそうにしながら

勇気を出して手をつなぎ、そして花火の明かりの下で接をしたとか、

甲子園を目指して一生懸命練習してきたけど、

県大会の一回戦でありえないくらいの点差で負けて最後の夏を終えたあの時とか、

なぜかわけの分からないほど、モテまくった人生で何度かしかないと言われるモテ期とか、

長く交際してきた彼女にプロポーズをした瞬間とか…

なんかそれぞれ違う思うけど、

みんなそれぞれ自分が描く、あの時が一番輝いていたなって瞬間がある。

僕は、それが一番嫌いだ。

人生のピークタイムを過去に置いてきてしまったなら

僕らは何をどう過ごしていけばいいんだろ。

美味しい焼肉を食べて、その味を思い出しながら毎日白米食べるの?

無理だよ。食べたいもん。

人生のピークタイムは、それこそ死ぬ瞬間がいい。

僕の小さな頃の夢は、ステージでピアノを弾きながらそのままブッ倒れて死ぬってやつ。

それが人生のピークタイムでありたいってそう思ってた。

でもね、確かに偉そうに今こうやって書いているけど

結局僕だって、今この瞬間よりすんげえ良かったって思える瞬間がいっぱいある。

そう…結局は口で言っているだけの大したことないやつ。

なんの有限実行性もない、ただの口だけ。

でもさ、例えばね「今日は本当に楽しかった!すごかった!」って思ったら

きっとそれはある種のピークタイム。

けど、よくさそういったことを言ったあとってさ

ファーストフードのポテトみたいに決まって出てくるのが

「ああ、明日からが憂鬱だ」みたいな発言。

なんだよ…今日が楽しかったら明日はもっと楽しくすりゃいいじゃん。

そんなの無理だって?

例えばね、昨日より今日が楽しくなかったら

もうその時点で1日下ってるから、

明日は昨日より楽しくすりゃいい。

いや、多分さそんなにうまくなんて行かないよ。

でもさ、「楽しい!今日最高!」なんて日の次の日にさ

それに気づかずにいると

何年かしてさ、「あぁ…あの時がピークタイムだったな」って

まるで忘れ物してきたかのようになっちゃうんだと思う。

いや、熱弁してるけどさ、僕もそうですよ。

それどころが、ピークタイムって何ってくらい

なんの誇れる輝きも無い。

しいていうなら、今これを読んでくれている人がいるってことくらい。

それってすごいこと。

たとえばまたこんな風に文章を書いて

それを読んでくれる人がこの文章よりも少なかったとしても

それだけの人がリピートしてくれたってことがすごい。

だってさ、出逢って別れてって毎日そんな繰り返し。

そんな中で、僕みたいな人間の書く文章を

繰り返し読んでくれる人が極僅かでもいるってこと。

それはとってもシアワセなこと。

そしてその人と僕との見えない繋がった時間が増えていけばいくほど

その瞬間が常にピークタイム。

音って重ねれば重ねるほど大きくなってメーター振り切れちゃうんですよね。

そんな感じ?

数じゃなくて積み重ねたものが多ければ多いほど

その瞬間がピークタイム。

だから、僕は結婚なんてしたことないけど

何かかつての有名な作家さんが恋愛の最大の瞬間はプロポーズみたいな

そんなこといってたような記憶がありますけど、

そんなことなんかない。

毎日1日1秒ごとに積み重ねていく日々が

多くなればなるほど、その瞬間がピークタイム。

きっと喧嘩だってするし、時にはキモチが離れそうにもなると思う。

けれど、一緒にいることで積み重ねてきた

ひとつひとつの音の大切さに気づけたら

多分その瞬間にメーターは赤く光ってるて思う。

あれ、何書こうとしたんだっけ。

まあさ、どんなことがあっても

「おれは、あの時が一番輝いてた」

なんて言わないように

常に輝ける自分を作っていかないといけないんだわさ。

あとどれくらい、こうやってここに文章を書けるかわかんないけど

またこうして

僕の紡ぐ文章を読んでくれている人がいるなら

その瞬間がいつも僕にとってピークタイムです。